予防歯科
~これからは予防歯科の時代です~
今までは、むし歯や歯周病で歯が痛くなってから歯医者さんに行き、それから治療を行うという流れが多かったと思います。
しかしそれでは、だんだんと大切なご自身の歯を失うこととなってしまいます。
つまり、むし歯部分を削って詰めて、またむし歯になって削って詰めてを繰り返しますと、最終的にはどうなってしまうかご理解いただけると思います。
これからの歯科治療は、むし歯や歯周病で悪くなった部分を治療するのではなく、いかに健康な状態を長く維持する事ができるかが重要なことだと考えられています。
それが「予防歯科」という考えです。
12歳児の日本人のむし歯保有数を、予防歯科の先進国であるフィンランドの12歳児と比較すると、約4倍になっています。
やはり、その差は「予防歯科」にあると言われているようです。
当クリニックでは、患者様ごとに適した予防歯科プログラムを行い、痛みもなく、かえって心地いいとご好評を頂いております。
つまり予防歯科は現在はもとより未来にも繋がる「究極の無痛治療」ともいえます。
予防歯科の定番 ~PMTC~
PMTCとは?
PMTCとは、プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略です。
日本語に直訳すると「歯科専門家による機械的なお口の清掃」ということとなります。
当クリニックでは、むし歯や歯周病予防の為、PMTCに力を入れております。
実際にPMTCを経験されると歯医者のイメージの痛いというものではなく、心地良いと感じられる患者様がほとんどです。
- ~PMTCで得られる効果~
- ◆むし歯予防
- お口の中の細菌を減少させ、プラークの再付着を防ぎます。
- ◆歯周病の改善
- お口の中の歯周病菌を減少させ、歯周炎の症状を軽減します。
- ◆口臭予防
- おくちの中にいる菌の減少により、口臭も軽減します。
- ◆審美性の向上
- 着色を除去し、光沢のある歯の表面を回復します。
- ◆歯質の強化
- フッ素入りの研磨ペーストを用いることで、歯の再石灰化を促進し、歯質を強化します。
カリエスリスクテスト
カリエスリスク(むし歯危険度測定)として、ミュータンス菌の抗体価や連鎖球菌の酸産生能を測定する他、唾液の緩衝能など必要に応じて検査を行います。
より簡単に申し上げますと、唾液をだすことと、検査棒を舌にあてたりするだけの、全く痛くないものです。
唾液による検査は、WHO(世界保健機構)の調査でも使われている最新の科学的検査法です。
これにより、検査結果を十分に理解していただき、改善・維持のためや、患者様に合わせた予防法(予防プログラム)をご提案させていただきます。
むし歯予防のために(3DS)
これまでの歯科は「既に進行してしまった病気をどう治そうか」ということばかりに取り組んできました。
患者様も痛くなったら、詰め物が取れたら歯科医院に行くといった感覚ではないでしょうか?
昨今、そのような医療のあり方が反省期に入っております。
「何が原因で悪くなったのか?」
「どうすればそうならなかったのか?」
を考えてみましょう。
最近の研究で「むし歯は特定の細菌によって起こる」ということがわかってきました。
つまりその細菌たちを追い出せば、ほとんどのお口の病気は防げるということです。
専門技術で行うクリーニング(PC)とお口の中の消毒(3DS)は原因菌を減らし、むし歯の発生率と歯周病の進行を大幅に抑制できます。
3DSとは
3DSは、むし歯の主な原因菌であるミュータンス菌が歯面だけにしか定着できず、他の口腔細菌の多くは歯面にも口腔粘膜にも定着できる、という性質に基づいた除菌法です。
つまり、歯だけに薬を使用することができれば、むし歯菌だけを除菌させることができます。
3DSでは、歯科衛生士による専門的な技術と器具を用いた紙面清掃処理を行って、完全にバイオフィルムを除去した後、歯列にフィットしたトレー(ドラッグ・リテーナー)を用いて薬を一定期間歯面にのみ塗布します。
この方法で、唾液に希釈されることなく、安全で確実に薬を塗布することができ、今後のむし歯菌除菌法として期待されております。また、3DSで歯周病の原因菌を取り除くことが口臭予防にもつながると考えられます。
お子様のむし歯予防
当クリニックではむし歯予防の為にフッ素塗布やシーラントなどに力を入れております。
フッ素塗布
歯質を強くしてむし歯に対する抵抗性を高めることのできるものは、現在のところフッ素だけしか分かっていません。
むし歯を予防するうえでのフッ素の作用は次のものがあります。
- フッ素がエナメル質(歯の表面の層)にふれると、エナメル質の結晶が硬く強いものに変化し、むし歯の原因菌に対する抵抗性が高くなります。
- むし歯になりかかった部分には、フッ素が取り込まれ易く、その部分を修復する現象(再石灰化)を促し、むし歯の進行をおさえます。
- フッ素の作用はこのように、歯に対するものが主体ですが、口の中の環境にも作用します。
むし歯は、むし歯の原因菌のつくり出す酸によって発生しますが、フッ素は、その酸をつくり出す原因菌の働きも弱めます。
以上のフッ素の働きにより、歯はむし歯になることから守られます。
シーラント
シーラントとは、奥歯の溝を薄いフッ素入りのプラスチックで塞ぐむし歯予防法です。
奥歯の溝は複雑な形をしているので歯ブラシの毛先が入らずそのために毎日歯磨きをしていてもむし歯になってしまうことがありますが、フッ素の力とシーラントで奥歯の溝を塞ぐことにより、奥歯の溝のむし歯を防ぐことが可能です。